非常食セットは「安心感」のためにある
飲食料の備蓄をご自分で選んだことがありますか?
少なくとも3日分、できれば7日分、などと言われます。
主食、主菜、副菜、間食、飲料、それらを選んでいくと、3日分でもダンボールが山積みになることに気付かれるでしょう。
それを知ってか知らずか、ダンボール1箱にコンパクトに詰めた非常食セットが、いろいろと発売されています。
とりあえず3日分のセット、購入しておけば安心ですよね。
そうなのです、非常食に限らず防災セットの多くは、安全を売っているのではなく、安心を売っているのです。
実際に、3日間食べ続けることを想像してみましょう。できれば、1度購入してみた非常食セットを、3日間食べ続けてみましょう。
3日分非常食セットを3日間食べてみるシミュレーション
ここでは試しに、楽天でレビュー件数上位だった商品を、3日間食べ続けることを想像してみようと思います。
画像は一部加工してあります。
さて、4人用ということですので、大小4つあるカタマリが、それぞれ1人用3日分ということです。
1人用3日分の内訳は、
パンの缶詰×3
アルファ化米×3
携帯おにぎり×3
ということですね。
飲料水は別途用意すると解釈します。
被災当日
朝食は缶詰パン1個。災害直後でバタバタしているので、調理不要のもので済ませます。
昼食は青菜のアルファ化米1袋。気持ちを落ち着かせるためにも、日本人にはお米がいいです。
夕食は携帯おにぎり1個。作ったことがないので、水を入れ過ぎ、上手く開封できず、形が崩れました。
2日目
朝食は缶詰パン1個。子どもは元気で、ほのかな甘みを気に入った様子です。
昼食は雑炊のアルファ化米1袋。お腹が減ってきました。子どもは缶詰パンも開けてしまいました。
夕食は携帯おにぎり1個。昨日よりは上手く作れました。夫はおかずが欲しいと言っています。
3日目
朝食はなし。缶詰パンを子どもに分け与えたからです。水を飲んでしのぎます。
昼食は白飯のアルファ化米1袋。味のある物が食べたいです。我慢できず携帯おにぎりも食べました。
夕食はなし。すでに非常食は食べ尽くしていました。
日没間際に、近所の避難所で炊き出しが始まりました。家族で豚汁を食べに行きました。具のある食事が体の奥まで染み渡ります。
火垂るの墓を真似るつもりはありませんでしたが……。
非常食でも最小限ではなく量とバランスを
この非常食セットが悪いわけではありません。
販売している店舗を悪く言うつもりも全くありません。
防災関連では名の知れた企業で、防災士監修と銘打っており、楽天での販売実績があるからこそ、典型例として取り上げました。
主食を9品集めても、単純に3日分にはなりません。
胃袋の大きな人には、主食をより多めに用意する必要もありそうです。
そして何より、おかずが必要です。主菜と副菜を毎食用意できれば良いのですが、少なくとも主菜だけでも毎食分用意したいところです。
おかずを食べるなら、箸や皿といったカトラリーも必要です。
これらを網羅している非常食セットは、とても少ないです。あるにはあるのですが、販売力の強い企業が出す非常食セットの陰に埋もれています。
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弊社が運営するネットショップでは、品数やバランスが確保されていて、カトラリー付きの非常食セットを販売しています。ご興味があればどうぞ。
非常食セット 3人分 3日分 美味しい防災食 ファミリーセット 保存水あり
非常食セット 1人分 2日分 美味しい防災食 スペシャルセット 保存水あり
防災士監修とは銘打っていませんが、筆者が防災士ですので、同じことですね。
ちなみに、防災士は専門家ではなく、普通の人です。
非常食は積み立てる
非常食に限らず、防災グッズを、一つ一つ自分で選ぶのは大変かと思います。
3日分の非常食セットでは、なかなか3日間を過ごすことが難しいとしても、無駄な買い物ではありません。
コツコツとお小遣いを積み立てるように、おかずやおやつを積み立てれば良いのです。
市販の非常食セットをベースにして、何か月後かには、豪華で立派でオリジナルな非常食セットが出来上がります。
コツコツ積み立て型であれば、ご自宅の収納スペースと調整しながら備蓄できます。
そして何と言っても、過不足の調整をしながらですから、ローリングストックの実践になるのです。
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